先日の技術書典7にて初めてのサークル参加を行い、ARの技術同人誌を頒布しました。
次回(&これから参加する方)に向けて、やったこと・感想などをまとめておきます。
- 頒布した本
- 振り返り
- やれなかったこと
- ここまでの感想
頒布した本
AR Foundationの入門書です。BOOTHで事後通販&電子書籍版の販売を行ってますので、よろしければどうぞ。
振り返り
6月上旬:応募開始
サークルの募集が始まったらしいことをTwitterで知る。技術書典公式か常連サークルをフォローしていれば、次回も「もうそんな時期か・・・」ってなる気がします。
なお、この時点で応募するかどうかは決めてませんでした。
6月中旬:ジャンル決め
申し込み時にどういう本を書くかのジャンルと関連するタグを登録するらしい。当落に影響するかはわからないけど、配置は重要なので真面目に考える。
仕事ではWeb、個人活動ではARをやっていることもあり、ネタはまあまあ豊富にある。
- Web
- Vue.jsで作ってみた系
- AWS
- Lambdaで認証シリーズ
- AR
- いろいろ
Web系だとVue.js+AWSあたりが好きなのですが、同人としてどっちを広めたいかを考えてARにしました。
ちょうどこの時期にARKit3のベータ版が発表になり、開催前後でARに関心が高まるかなぁというのもちょっとありました。
6/28:サークル参加者向けmeetup
申し込み前に、技術書典運営事務局が主催するイベントに参加してきました。
技術書作成して印刷所に入稿するまでの流れ、来場者数や頒布数などのデータ、作成に使うツール(Re:VIEWというものがあるらしい)、注意事項とか、出展に最低限必要な情報を色々説明してもらった。
こちらに参加して「まあ、なんとかなるやろ」的なお気持ちになったので、関東圏でサークル初参加の方にはオススメです。
6/29:サークル参加申し込み
軽い気持ちで迂闊に申し込んでみる。最終的には勢い。当選してから考える。
サークルカットなるものが必要らしいので10分で作成しました。
いろいろと雑でごめんなさい・・・。
でも、目立ってはいた気がする。色的に。
7月上旬:テーマ決め
早めに書き始めたいので、アイデア出し。
候補1. ARKit3
最初はARKit3も含めた最新のAR事情とか書こうかなと思ったのですが、iOS 13のリリース時期によってはNDAの内容を含むので、ちょっとリスキーかなと。
もしNGになると他に頒布する既刊もないので、ARKit3を前提とした内容は辞めました。
結果的にiOS 13は直前でリリースされたのでARKit3の内容に触れるのはギリセーフでしたが、iPad OSは技術書典後の9/24リリースなので、iPad AirでARKit3を動かしたスクショはNGになる可能性がありました。
候補2. AR Foundation
じゃあ、どうしようかと考えたとき、UnityでARKit3を使う開発は、AR FoundationがスタンダードになりそうなのでAR Foundationの入門書にしようかなと。
状況次第ではARKit3に触れることもできるし、前提知識として無駄にはならないので。
候補3. WebAR
WebARで何かというのも一瞬考えましたが、いいアイデアも出ませんでしたし、@ikkouさんがWebXR本を頒布されているのは知っていたので、あまり競合しないであろうAR Foundationで決定しました。
7/10:当落通知
当選してしまった。第一声は「がんばるぞい!」
がんばるぞい! #技術書典#明日から本気出す#初めてなので優しくしてね💕 pic.twitter.com/R60Ey0SCX4
— jyuko@技術書典7 せ05D じゅこや (@jyuko49) July 10, 2019
この頃に何をしていたかというと、#本田とカードバトルです。毎日果敢にチャレンジしましたけど全敗しました。
当選したら本気出す!ということで、執筆はもちろん出展に向けた準備は進捗ゼロです。
7/12:クエリちゃん出演交渉
技術書の場合、執筆するには開発しないといけないので、サンプルアプリの開発と並行して進める感じにしました。
で、jyukoさんがUnityでARをやるのであれば、やはり慣れ親しんだクエリちゃんアセットを使いたいです。
規約上は大丈夫そうな気もするけど、一応クエリちゃん運営のポケクエさん(株式会社ポケット・クエリーズ様)にお問い合わせ。1週間くらいかかるかなと思っていたら即日でメールの返答があり、利用OKを頂きました。
その後もクエリちゃん利用箇所の原稿チェック(念のため)や画像素材の提供を頂いたのですが、レスポンスが早くて非常に助かりました。
7月中旬:全体の構成決め
まず、章立てを先に作って、アウトラインを固めました。この時点でページ数はなんとなく100ページ前後で考えていました。
AR Foundationの利点であるARKit/ARCore両対応を考えて、ARをやる上で絶対に押さえておいて欲しい機能・知識(トラッキングや平面検知、オクルージョンなど)を中心で。 各章は説明と実装、実機テストを1セットにすることで、前提を頭に入れて、手を動かして目で見ることで知識としてモノにするイメージ。
7月下旬〜8月上旬:執筆
Unityでサンプルアプリを作りながら、途中でスクショを撮り、一区切り付いたら簡単な説明を書くというサイクルで進めました。序盤はRe:VIEWではなくMarkdownで書いていたので普段のブログ執筆や仕事でのマニュアル作成と似たような感じです。
入門書として、「書いてある通りにやればできる(最初の躓きを減らす)」と「基礎理論や要素技術から覚える(UIやSDKが変わっても知識として使える)」あたりは意識しました。
ここまでは、割と順調でした。
8月中旬〜:校正・レイアウト調整
執筆の終盤からRe:VIEWに切り替えました。
印刷用テンプレートに必要なトンボやページ番号をPDF生成時に入れてくれるからです。
TechBoosterさんのテンプレートが基本そのまま使えるので、そこからレイアウトを調整するのが定石のようです。
レイアウト調整はかなり苦戦しましたが、困った時は以下で検索をかけるなどして調べました。
Re:VIEW ナレッジベース — Re:VIEW knowledge ドキュメント
8月下旬:執筆完了&タイトル決定
そうこうしているうちに本文をほぼ書き終えました。
#技術書典
— jyuko@技術書典7 せ05D じゅこや (@jyuko49) August 25, 2019
だ い た い 書 け た !
このタイミングでタイトルも確定して、Twitterで告知。
【告知】9/22の #技術書典 7で「ARがわかる本 〜UnityとAR Foundationで作るARKit/ARCore対応アプリ開発〜」を頒布します。
— jyuko@技術書典7 せ05D じゅこや (@jyuko49) August 25, 2019
内容は初心者を対象にしたUnityでのARアプリの作り方です。
ポケット・クエリーズ様の許可を得て、ARアプリの実装例はクエリちゃん @Query_chan です。 pic.twitter.com/eWiD9CGe3u
技術書典のマイページで頒布情報も登録しました。
ちぇけら! #技術書典 https://t.co/q4P6SHFMfq
— jyuko@技術書典7 せ05D じゅこや (@jyuko49) August 26, 2019
まだ校正前ではありますが、こちらの原稿をポケクエさんに送って、クエリちゃん利用方法をチェックしてもらいました。
8月下旬:表紙用の画像データ作成
絵師さんやデザイナーさんにイラストとロゴを依頼しようか迷いつつ、今回は全部自作してみました。
プロ向けのイラストツールは持っていないので、Gimp(ギンプ)とかKrita(クリータ)でがんばっています。
表紙の構想は考えてあって、「本からクエリちゃんがARで出てくるようなイラストにして、実際にクエリちゃんが表示されるARを当日展示しよう」です。
多少のクオリティの低さはクエリちゃんの可愛さでカバーする作戦です。
表紙用テンプレートを印刷所から取得するにあたり、技術書典のバックアップ印刷所になっている日光企画とねこのしっぽから、ねこのしっぽさんに印刷をお願いすることにしました。
理由は、名前が可愛い、家に近い、名前が可愛いです。単純な印刷代だけ比べると、日光企画さんの方が安い(特に早割)ようです。
表紙用テンプレートにも本文用テンプレートと同様にトンボが入っているので、PSDファイルを加工して最後に可視レイヤーを統合します。
8/31:あの布購入
夏コミ直後に在庫切れになっており、再販開始のタイミングで購入しました。
9月上旬:展示用デモアプリの作成
当日のブースでARが体験できるようにデモアプリを作成しました。
書籍内で紹介しているイメージトラッキングのサンプルにアニメーションをつけた程度で、表紙にARを重ねるようにしました。もうちょっと凝ったものを作りたい気持ちもあったのですが、当日のオペレーションを考えると結果的にはシンプルなものでよかったと思います。
最低限の仕事はした。 pic.twitter.com/ZTFS3EpXfu
— jyuko@技術書典7 せ05D じゅこや (@jyuko49) September 4, 2019
9月上旬:入稿前最終チェック
入稿前に一通り原稿を読んで、おかしな点がないかをチェック!
原稿のチェックで誤字脱字を40件見つけた🥴#技術書典
— jyuko@技術書典7 せ05D じゅこや (@jyuko49) September 5, 2019
おかしな点いっぱいあった・・・。
がんばって直しましたが、不備が残ってたらごめんなさい。
9/10:印刷所の入稿
初めての入稿でトラブルがあるかもしれないので、余裕を持って早割のタイミングで申し込みができるよう進めました。
オンライン入稿で必要事項をWebフォームに入力し、表紙(PDF)と原稿(PSD)のファイルをアップロードするだけなので申し込みは簡単です。また、表紙用と同じ画像データを使ってポスターも作成できたので、2枚発注(1枚は予備)
納品直後のお気持ち。
ねねっちのLINEスタンプはプログラマーのみなさんにオススメです。
その後、アップロード翌々日の昼休みにねこのしっぽさんから確認事項の電話がかかってきました。その際に表紙データの不備を指摘してもらったのですが、即日修正できる内容だったので事なきを得ました。
9/17:当日のお手伝い決定
2週間前くらいから会社の同僚、後輩で手伝ってくれる人を探しました。
「焼肉やお寿司の話を出すと見つかる」という都市伝説は本当だった。
サークル通行証を割り当て。
9/19:展示用の備品購入
最低限必要と思われる物はサークル向けガイドラインの準備物の一例に記載されています。ねこのしっぽさんのマニュアルにも同様の記載がありました。
- 展示用iPad:家にあったもの
- iPadの固定スタンド:Amazonプライム
- ポスタースタンド:Amazonプライム
- 値札:Amazonプライム
- マッキー:近所の100均ストア
- スケッチブック:近所の書店、スーパー
- はさみ、カッター:家にあったもの
Amazonプライムで購入したものは、前日の9/21に受け取りできました。
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お釣りについては、小銭が出ないように頒布価格を¥1,000にしたので、五千円札と千円札で¥30,000用意して入れておきました。
9/19:見本誌の提出
事務局への見本誌提出を忘れていました。提出してねメールが9/17に届いて気付いた。
見本誌の提出は、電子版のPDFで行うようです。Re:VIEWで電子版のPDFが作成できるので、作成したファイルを技術書典サイトのマイページからアップロードしました。
印刷用のPDFと違ってトンボが入ってないものです。
9/21:前日チェック
備品をカバンに詰めながら忘れ物がないかチェック。案の定、ガムテープが無かったので当日買うことにした。
やれなかったこと
サークルカットの差し替え
Webサイト用のサークルカットを2週間前くらいに差し替えて、頒布本の内容がわかるようにした方が事前のサークルチェック数は伸びたのかなと思います。狂気くんのままだったので。
Twitter推し祭り
この時期は仕事も忙しくて、気付いたら終わってた。
ちなみに、他の人のツイートも全然見れてなくて、結局サークルチェックしました。
勉強会での告知
技術書典の宣伝にもなるのでAR FoundationネタでLTやりたかったけど、ちょうどいいタイミングで公募してるのがなかった。
ここまでの感想
直前にやることがたくさんあり、9月に入ってからは結構バタバタしました。
かなり余裕を持ったスケジュールで進めていたはずなのに、どうしてこうなったし。
ひぇぇ、もう来週だよぅ。印刷所に入稿はしたはずなので📗は出ると信じたい
— jyuko@技術書典7 せ05D じゅこや (@jyuko49) September 15, 2019
初めてのサークル参加なので、準備が色々とアレですけど、とりあえずよろしくお願いしましゅ…https://t.co/q4P6SHFMfq#技術書典 https://t.co/Fyngou15dq
とはいえ、執筆以外の部分は初心者向けmeetup、サークル向けガイドライン、ねこのしっぽマニュアルで把握できたので、初めてにしては上手くできた方かもしれない。
初回ということで執筆最優先だったので、告知系でやれなかったことが多いです。
反省点としては、表紙の作成とレイアウト調整にもうちょっと時間をかけたかったですね。前者は実力の問題ですが、後者に関してはRe:VIEWに不慣れだったのもあります。
当日編につづく…